アレルギー性鼻炎・花粉症|はな・みみ・のど りょうクリニック|福島県福島市にある耳鼻咽喉科|日帰り手術

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アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎・花粉症|はな・みみ・のど りょうクリニック|福島県福島市にある耳鼻咽喉科|日帰り手術

ご注意: 当ホームページに記載されている原因、症状、検査、鑑別疾患および治療法などについてはあくまでも一般的な内容になります。これらはすべての患者様に当てはまるわけではなく、個々の症状や状況により異なる場合があります。正確な診断と最適な治療を行うためには、必ず受診時にご相談ください。

アレルギー

アレルギー性鼻炎

当院では花粉症重症化ゼロ作戦に準じて取り組んでいます。

花粉症重症化ゼロ作戦
概要

アレルギー性鼻炎・花粉症は、鼻粘膜がアレルギー反応を起こすことによって引き起こされる慢性疾患です。日本では特にスギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎が問題となっています。季節性の花粉症と通年性のアレルギー性鼻炎があります。

原因

アレルギー性鼻炎・花粉症の主な原因は、花粉やダニなどのアレルゲンが鼻粘膜に接触することです。その他、カビやペットの毛なども原因となります。日本では、特にスギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎の増加が問題となっています。

  • スギ花粉症: 日本固有の植物であるスギの花粉が主な原因です。1960年代からスギ花粉の飛散量が増加し、スギ花粉症の有病率も増加しています。東京都の調査では、1986年の10.0%から2016年には45.6%に増加しています。
  • ダニアレルギー: 室内塵に含まれるダニが主な原因です。1960年代以降、日本の住環境の変遷とともにダニアレルゲンの量が増加し、ダニアレルギー性鼻炎の発症率も上昇しています。
症状
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみや涙目
  • 喉の痛みやかゆみ など
検査
  • 問診: 症状や生活環境について詳しく聞きます。
  • 鼻鏡検査、内視鏡検査: 鼻の中の状態を確認します。
  • アレルギー検査: 血液検査でアレルゲンを特定します。血清特異的IgE検査は、薬剤の影響を受けないため有用です。

※当院では指先採血で検査できるのでお子様にも安心して検査可能です。検査結果は検査後30分で結果がでます。

鑑別疾患
  • 風邪: 鼻かぜの初期にはくしゃみや鼻漏が見られるため、鑑別が難しいことがあります。鼻かぜは数日で鼻汁が粘膿性になり、1〜2週間で治癒します。
  • 副鼻腔炎: 粘性または粘膿性の鼻汁、浮腫性中鼻甲介が特徴です。レントゲン・CTで鑑別可能です。
  • 血管運動性鼻炎: 自律神経のアンバランスが原因とされ、アレルギー検査が陰性となります。 など
発症のメカニズム

アレルギー性鼻炎は、遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合って発症します。アレルゲンが鼻粘膜に侵入すると、免疫システムが過剰に反応し、IgE抗体を産生します。このIgE抗体が鼻粘膜のマスト細胞と結合し、再度アレルゲンに接触すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの症状を引き起こします。

治療

アレルギー性鼻炎の治療法は、患者の症状やライフスタイルに合わせて選択されます。代表的な治療法として抗原除去と回避、薬物療法、舌下免疫療法、手術療法があります。

抗原除去と回避

アレルゲンとの接触を減らすことが最も基本的な治療法です。

  • 室内環境の改善: ダニやカビの繁殖を防ぐため、定期的な掃除と換気が重要です。寝具やカーペットはダニの温床となりやすいため、防ダニカバーの使用や高温での洗濯が推奨されます。室内の湿度を50%以下に保つことも効果的です。
  • 花粉対策: 花粉の飛散が多い季節には、外出を控える、マスクやメガネを着用する、帰宅時に衣服についた花粉を払い落とす、洗顔やうがいをするなどの対策が必要です。

薬物療法

薬物療法は、アレルギー性鼻炎の症状を軽減するための主要な治療法です。各薬物の特徴と使用法について詳述します。

抗ヒスタミン薬
  • 作用機序: 抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応の一因であるヒスタミンの作用を抑えることで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを軽減します。
  • 種類: 第1世代と第2世代があり、第1世代は鎮静作用が強く、第2世代は副作用が少ないため、日常生活に支障をきたさないように使用できます。
  • 使用法: 経口薬、点鼻薬、点眼薬の形態があり、症状の程度や部位に応じて選択されます。
鼻用ステロイドスプレー
  • 作用機序: 炎症を抑える効果があり、特に鼻づまりに対して高い効果があります。
  • 使用法: 毎日定期的に使用することで、症状のコントロールが可能です。発症初期から使用することで、より効果的に症状を抑えることができます。
抗ロイコトリエン薬
  • 作用機序: ロイコトリエンは、炎症反応に関与する化学物質であり、これを抑えることで鼻づまりを軽減します。
  • 使用法: 経口薬として使用され、特に鼻づまりに効果的です。喘息を併発している患者にも有用です。
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
  • 作用機序: マスト細胞からの化学伝達物質の放出を抑制し、アレルギー反応を予防します。
  • 使用法: 予防的に使用され、症状が出る前に服用することで効果を発揮します。
経口ステロイド薬
  • 使用法: 重症のアレルギー性鼻炎に対して短期間使用されます。長期使用は副作用があるため、医師の指導の下で使用されます。

舌下免疫療法

免疫療法は、アレルゲンに対する免疫を強化する治療法です。

舌下免疫療法(SLIT): ダニやスギ花粉のアレルゲンを含む錠剤を舌下に投与する治療です。舌下免疫療法は、アレルギー性鼻炎を根本から治療する可能性がある画期的な治療法です。複数の研究により、舌下免疫療法は長期的にアレルギー症状を軽減し、舌下免疫療法を受けた患者の約70%が症状の改善を実感し、そのうちの多くが治療終了後も長期的に症状の軽減が持続したとも報告されています。さらには完治に至るケースもあります。治療を開始してから数ヶ月で効果が現れ始め、継続することでアレルギー反応が大幅に減少します。また、副作用が少なく、安全に自宅で実施できる点も大きな利点です。

手術療法

薬物療法で十分な効果が得られない場合や、症状が重度の場合、鼻中隔の歪みや下鼻甲介の肥厚が著しい場合には手術療法が考慮されます。

  • 鼻中隔矯正術
    ・概要: 鼻中隔の歪みを矯正する手術です。鼻中隔の歪みが原因で鼻づまりが生じる場合に有効です。
    ・方法: 全身麻酔または局所麻酔で行われ、鼻中隔を矯正するための切開を行います。
    ・効果: 鼻の通りが良くなり、呼吸が楽になります。
  • 下鼻甲介粘膜焼灼術
    ・概要: 下鼻甲介(鼻腔内の一部)の粘膜を焼灼することで、鼻づまりを改善します。
    ・方法: レーザーや高周波電流を使用して粘膜を焼灼します。局所麻酔で行われ、外来で施術が可能です。
    ・効果: 鼻づまりの改善に効果的であり、手術後の回復も比較的早いです。
  • 下鼻甲介粘膜下切除術
    ・概要: 下鼻甲介の粘膜下の組織を切除する手術です。粘膜自体を大きく残しつつ、粘膜下の肥厚した組織を取り除くことで鼻腔の通りを改善します。
    ・方法: 全身麻酔または局所麻酔で行われ、内視鏡を用いて下鼻甲介の粘膜下組織を切除します。
    ・効果: 重度の鼻づまりに対して効果的であり、呼吸機能が大幅に改善します。
  • 下鼻甲介粘膜下骨切除術
    ・概要: 下鼻甲介の骨を切除する手術です。粘膜自体をいじらず、粘膜下の肥厚した骨組織を取り除くことで鼻腔の通りを改善します。
    ・方法: 全身麻酔または局所麻酔で行われ、内視鏡を用いて下鼻甲介の骨組織を切除します。
    ・効果: 重度の鼻づまりに対して効果的であり、呼吸機能が大幅に改善します。
  • 後鼻神経切断術
    ・概要: 鼻粘膜に分布する神経を切断する手術です。これにより、くしゃみや鼻水の反応を減少させます。
    ・方法: 全身麻酔下で行われることが多く、鼻内視鏡を使用して神経を切断します。
    ・効果: 強い効果がありますが、手術のリスクも伴います。
予防
  • 定期的な掃除と換気: ダニやカビの繁殖を防ぐために重要です。
  • 花粉の季節には外出を控える: 外出時はマスクやメガネを使用し、帰宅時には花粉を払い落とす。
  • ペットを清潔に保つ: ペットアレルギーの予防には、ペットの清潔を保ちましょう。

当院では花粉症重症化ゼロ作戦に準じて取り組んでいます。