はなの日帰り手術|はな・みみ・のど りょうクリニック|福島県福島市にある耳鼻咽喉科|日帰り手術

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はなの日帰り手術

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はなの日帰り手術

日帰り手術療法に関するご案内

アレルギー性鼻炎・花粉症の治療や慢性副鼻腔炎において様々な手術療法が行われています。この記事では、手術療法の分類と各術式について説明します。

アレルギー性鼻炎・花粉症の手術について

手術療法は目的によって大きく3つに分類されます。それぞれの分類と代表的な術式について見ていきましょう。

鼻粘膜変性手術(CO2レーザ−焼灼術)

鼻粘膜変性手術は、鼻の内側の粘膜を変性させることでアレルギー反応を抑える手術です。この手術では、レーザーや電気メスなどを用いて粘膜に軽いダメージを与え、瘢痕(傷跡)を作ることで粘膜を縮小させる方法です。
最も一般的な術式は、下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術です。CO2レーザーなどを使って粘膜を焼く手術で、術後の痛みや出血が少なく、短時間で終わります。CO2レーザーを使った手術は、術後にできるかさぶたの期間も短く、出血や痛みが少ないため、多くの患者に適しています。しかし、効果は一時的なことが多く、再度手術が必要になる場合があります。この手術は、アレルギー反応を抑えながら粘膜を縮小させるため、鼻づまりや鼻水の症状を和らげる効果があります。

鼻腔形態改善手術(鼻中隔矯正術、内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型)

鼻腔形態改善手術は、鼻の形を整えることで鼻づまりなどの症状を改善する手術です。鼻中隔(鼻の左右を分ける壁)や下鼻甲介(鼻の中にある構造物)に対して行われます。代表的な術式としては、鼻中隔矯正術や下鼻甲介手術があります。
鼻中隔矯正術では、曲がった鼻中隔をまっすぐにすることで、鼻の通りが良くなります。この手術には、鼻中隔の軟骨を除去する方法や軟骨を温存する方法など、いくつかのバリエーションがあります。いずれの方法でも、鼻中隔を矯正することで鼻づまりを解消する効果があります。
下鼻甲介手術では、肥大した下鼻甲介を縮小することで鼻の通りを改善します。
この手術には、下鼻甲介粘膜下切除術、下鼻甲介粘膜下骨切除術、下鼻甲介外側変位手術などのバリエーションがあります。

鼻漏改善手術(後鼻神経切断、経鼻腔的翼突管神経切除術)

鼻漏改善手術は、鼻水が多く出る症状を改善する手術です。鼻腔内の神経を切断することで、過剰な鼻水の分泌を抑えます。代表的な術式としては、後鼻神経切断術があります。
後鼻神経切断術は、鼻の奥にある後鼻神経を切断する手術です。これにより、副交感神経の刺激を減らし、鼻水の量を減少させます。この手術方法にはいくつかのバリエーションがあります。例えば、中鼻道(鼻の中の通り道)からアプローチし、蝶口蓋孔(鼻の奥にある孔)から骨膜で包まれた神経を切断する方法や、下鼻甲介からアプローチして神経の末梢枝を切断する方法などがあります。
手術の合併症としては、出血、咽頭違和感、鼻の乾燥感、萎縮性鼻炎などがあります。特に術後出血は、術後2~4週の時期に数%の割合で突発的に起こることがあるため、注意が必要です。また、長期間にわたって効果が持続することが多いですが、鼻の乾燥や萎縮性鼻炎などの可能性があります。

慢性副鼻腔炎の手術について

慢性副鼻腔炎に対する手術は、主に内視鏡下鼻副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery、ESS)になります。この手術の目的は、鼻と副鼻腔の通り道を広げ、炎症や分泌物がたまりにくくすることです。これにより、症状を改善し、生活の質を向上させることです。

1

まず鼻の中にあるポリープや炎症組織を取り除きます。

これには、内視鏡という細いカメラを使って手術部位を確認しながら進めるため、非常に精密な操作が可能です。ポリープを除去することで、鼻腔や副鼻腔の通りが良くなり、呼吸がしやすくなります。

2

次に、狭くなっている鼻の通り道や副鼻腔の開口部を広げるために、骨や粘膜を一部切除します。

これにより、副鼻腔の換気と排出が改善され、感染や炎症の再発を防ぎます。この際、特に注意が必要なのは、周囲の重要な構造物(例えば、目や脳に近い部分)を傷つけないようにすることです。内視鏡を用いることで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。合併症を減らすために、当院では手術中にナビゲーションシステムを使用しています。このシステムは、手術部位の詳細な位置情報をリアルタイムで提供し、医師が安全かつ正確に手術を行うのを支援します。これにより、手術の精度が向上し、合併症のリスクがさらに低減されます。

3

手術後は、鼻の中に詰め物をすることがあります。

これは、出血を防ぎ、手術部位の治癒を促進するためです。詰め物は通常、数日後に医師によって取り除かれます。また、手術後は数日間の安静が必要で、術後の経過を確認するために定期的な通院が必要です。

4

術後のケアとしては、鼻の中の清掃や薬の使用が指導されます。

これにより、手術の効果を最大限に引き出すことができます。特に、ステロイドスプレーや鼻うがいなどのケアが重要です。これにより、再発を防ぎ、炎症を抑えることができます。

手術の合併症としては、出血や感染、鼻の中の傷跡が残ることがありますが、これらは適切な管理とケアにより予防・軽減できます。また、手術によって完全に症状が改善しない場合もありますが、手術を受けることで症状の緩和や生活の質の向上が期待できます。

内視鏡下鼻副鼻腔手術は、高度な技術が必要な手術ですが、多くの患者様にとって有効な治療法です。手術を受けるかどうかは、医師と十分に相談して決めることが重要です。また、手術前には詳細な説明を受け、不安や疑問を解消しておくことが大切です。手術を通じて症状が改善し、より快適な生活を送ることができるようになります。

手術適応について

局所麻酔での手術は月曜日、水曜日、木曜日に行うことができます。
全身麻酔での手術は福島医大麻酔科の医師派遣に合わせて、水曜日に行います。

下記に該当する方は、安全性を確保することが困難なため当院での全身麻酔による手術をお引き受けできません。局所麻酔での手術についても、以下の基準に従います。

  • 18歳以下、60歳以上の方
  • 心血管系の合併症のある方 (コントロールできている高血圧は可)
  • 呼吸器系の合併症のある方 (発作のないコントロールされている喘息は可)
  • 腎機能異常のある方、透析をしている方
  • 肝機能異常のある方
  • 中枢神経系疾患の合併症のある方
  • 抗てんかん薬を内服中の方
  • 精神疾患のある方、抗精神薬を内服中の方
  • 糖尿病で特定の薬剤を使用している方
  • 喫煙している方 (2か月以上の禁煙で可)
  • 特定の手術をうけたことのある方
  • BMI 30以上の方
  • 睡眠時無呼吸のある方
  • 抗血栓薬を内服している方
  • アナフィラキシーの既往のある方
  • 妊娠中の方
  • 遠方にお住まいの方、手術当日に付き添いがいない方
    手術にはリスクが伴い、特に術後の出血は迅速な対応が求められます。そのため、当院から車で1時間以内に来院できない方の手術は、基本的にお断りしております。
    ご帰宅時から翌朝まで、付き添いの方がいること、また、公共交通機関ではなく、付き添いの方が運転する車で帰宅できることが必要な条件になります。
  • その他、全身麻酔が困難であることが予想される方

上記に該当しない方であっても、医師が総合病院などの高次医療施設での手術が適切と判断した場合には、高次医療施設へご紹介させていただきますので、ご了承ください。

まとめ

耳鼻咽喉科の手術療法は、保存的治療(内服薬や点鼻薬)で効果が得られない場合に有効です。手術にはそれぞれメリットとデメリットがあり、症状や状態に応じて適切な方法を選択することが重要です。手術を考えている方は、医師とよく相談し、最適な治療法を選びましょう。

手術症例数(前在籍施設での手術件数になります。)

⿐腔形態改善⼿術

  2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度
鼻中隔矯正術 29 28 34 21 27
内視鏡下鼻腔手術 52 54 78 45 43

⿐漏改善⼿術

  2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度
後鼻神経切断術
(経鼻腔的翼突管神経切除術)
26 44 63 46 41

慢性副⿐腔炎に対する⼿術

  2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度
内視鏡下鼻副鼻腔手術 67 45 56 58 28